2008年以降人口の減少が続く日本では、常に“足りないもの”についての議論がなされている。その中でも生産年齢人口と呼ばれる15歳以上65歳未満の減少は著しく、社会経済に大きな影響を与えるとして、働く環境の見直しがあらゆる観点から行われている。働き方がひとつに固定されなくなった今の時代に、万人に受ける対策は生まれるのだろうか。そもそもひとりひとりが働くことに求めているものって何なのだろうか。今回は、職種に関係なく同世代の女性若手社員による座談会を行った。出世について、まだイメージ出来ないと素直に語った彼女たちは、自分が働くことについてどのように考えているのだろう。
profile_4@2x.jpg | Y.N:2015年入社。コンシューマ&コンテンツ事業部。 |
profile_3@2x.jpg | C.K:2017年入社。ソリューション事業本部。 |
profile_1@2x.jpg | K.M:2018年入社。ソリューション事業本部 |
女性活躍のニュース、自分ごととは思えない。
普段、出世についてどれくらい意識する機会がありますか?
Y.N出世について考えたことは、今のところありません。私の所属している部署は、キッズ向けのコンテンツを制作していて、唯一キャラクターを扱っているので、女性やママさんの意見が重視される傾向にあります。女性が意見を言いやすい雰囲気を感じるし、今期も女性でマネージャーになられた方がいるので、女性が出世しにくいという環境ではないと思います。
ただ私自身がどうかというと、出世についてあまり意識したことがない。出世よりも自分が思ったことを伝えられる環境であるかどうかの方が今の自分にとっては大切です。
C.K私も自分の出世について考えたことはないですね。営業を行う際にお会いする方によっては、上司に同行していただくので、役職のあるなしを意識する機会はありますが、自分自身の出世は特に意識していません。
出世することによって、任せてもらえる範囲が広がり、部下を持つ分今行っている業務プラスもっと考えることが多くなっていくと思います。
そういう意味では、出世はしたいとは思いますし、その分もっと経験や知識を増やしたいです。
K.M年金のニュースとか最近よく目にするので、将来どうなるんだろうという思いはあるけれど、実際は目の前のことに必死で未来のことまで考える余裕はありません。
やりがいかお金か。
仕事はやりがいがお金かという議論については、どう思いますか?
K.M今の仕事を選んだのは、大学で勉強していたコミュニケーションがITと繋がったらどうなるんだろうと興味を持ったことがきっかけです。コミュニケーションのひとつであるWebがどのように作られているのか、ビジネスの面から勉強してみたかった。やりがいとか、何かになることを目指しているというよりは、知りたいことのために働いているという方が自分にはしっくりきます。
私は完全にプライベート重視なので、土日の休みをいかに有意義に過ごすかのために5日間頑張っています。仕事を通じて勉強したいことが増えて、そのことを土日にやることもあるけれど、5日頑張って働いて土日に遊ぶというサイクルが自分の中で定着しています。
C.K私も同じです。土日はいかに仕事のことを考えないようにするかが大事。月曜になったら切り替えて「いかに効率よく、集中して行うか」や、時間との闘いにもなるからこそ、土日は自由に、また趣味などに無駄に時間を使うことで色んなバランスを取っています。
Y.N私は皆さんと比べて、良い意味で「仕事をしている」という意識があまりないかもしれません。バイト感覚でやる気がないというわけではなく、仕事としてやっていることが自分の趣味や興味のあることと近いからだと思います。会社や業界によっては、仕事中にスマホをいじることを禁止されているところもあるのに対して、私の部署は参考資料としてYouTubeをみたり、面白いゲームを試すといったことが日常的におこなわれていたりします。
求められているのも、知識というよりは感覚的なものが多い。ユーザーがどんな動機で何を面白いと思うのかなどを追求することが求められる部署なので、仕事以外の時間で得たものが仕事に活かされることも多く、プライベートと仕事をしている時の自分にあまり差を感じていません。
出来る自分と、出来ない自分。
今“働きすぎ”という言葉が出ましたが、無理のない範囲で働ける環境はどうやって手に入れましたか?
K.M私はここ何ヶ月間かずっと仕事に追われている状況ですが、会社に遅く残っても集中出来る時間が伸びるわけでないことをひしひしと感じています。時間をかけても集中力が切れると効率は悪くなるので、今はそのバランスをどうやったら上手くとれるのか必死に考えて調整しているところです。
仕事の指示を受けた時の返事も、ただ「はい。」とだけ返事をしたら「私は全部出来ます。」と言ったことと同じになる。後で自分のキャパを超えていたことに気が付いても、プロジェクト全体に迷惑がかかる。だからこそ、一緒に働く人には自分がどれくらい出来ないかを伝えることが大事だと思っています。見栄を張って何でも「わかりました。」と言うのはやめるようにしています。
Y.N私は、ネオスに入社して丸4年(取材当時)になりますが、無理な量を任されてきついと思ったことはありません。もちろん仕事が予定通りに終わらず、家に持ち帰ることもありますが、それは自分のやり方が原因だと思うので、他人や環境に対して何か思ったことはありません。
自分は社会人になれないんじゃないかと思うくらい、社会人は辛いものだと想像していましたが、案外こうして働けている。働くことが辛いと思ったこともないので、入社してから本当にずっと良い環境の中で働かせてもらっていると感じます。
人間関係は、解決できるのか。
良い環境と言っても、お給料や福利厚生、学びの機会など様々だと思います。 “人間関係”についてはどのくらい重視しますか?
Y.N何よりも大事。私は仕事をする上で、人間関係が優先順位の頂点にきます。お金は自分の頑張り次第でどうにか出来る範囲が大きいですが、関わる相手や人間関係は自分の力でどうにかできるものではありません。だからこそ、福利厚生やお金よりも、人間関係に恵まれるかどうかがとても重要だと思います。
C.K私も人間関係は、とても大事だと思っています。私が所属している営業は、お客様はもちろんですが、部署に関わらず社内の人間とコミュニケーションをとります。ヒアリングした内容を伝える際、1つでも案件を一緒に行った、または案件の相談をしたかどうかで、その人の特徴が分かっているので話がとてもスムーズです。わかっている部分とまだはっきりしない点、これから考えられる可能性など、あらゆる話が出来るので、お互いの認識を共有できます。
なるほど、営業は特に対外的な人間関係の構築も重要かと思いますが、そこはいかがですか?
C.Kそれはお客さんも同じで、関係性が築けていないと踏み入った知りたい話やどう考えているかという話も出来ませんし、お互いの間にあるずれに対して素直に話しづらくなってしまいます。そのため特に新規でお会いする方には特にコミュニケーションを取り関係性を作っていきます。
上司にアドバイスをいただいたり、実際にお客様と上司が話をしているところを見ながら実践するなど、勉強をしています。
K.M私も人間関係が一番じゃないかな。お金はもちろん必要だけれど、人間関係が嫌になっても、その環境をすぐに変えること出来ない。だからこそ、社内の人間関係に恵まれているかどうかは、福利厚生よりも働きやすさに直接影響していると思います。
ちなみに、皆さんの理想の上司はどんな方ですか?
Y.Nドラマ「わたし、定時で帰ります。」の東山さんや種田さんみたいな人が理想です。その人の持ち味を見定めて伸ばそうとしてくれて、かつ未熟な部分はフォローしてくれる人。現実にあんな方が同じ会社にいたら、定時では帰らないと思いますけど。(笑)
K.M私は天海祐希さんが上司にしたいランキングが高いの、わかるなって思います。ああいうさっぱりした感じの人、すごく良いなって思います。
C.K私は男性でも女性でも、面白い感じの人がいいですね。仕事も楽しくやれそうですし、冗談の通じる人がいてくれると嬉しいです。
K.Mでも冗談が多すぎるのも困りますよね。(笑)私は、難しいけれどいつも機嫌の良い人、あんまり波がない人がいいですね。
Y.Nいつも機嫌のいい人いいですよね。自分が言えることじゃないかもしれないけれど、人の態度は周りの空気に影響していますもんね。会議でも女性がひとりいるだけで、明らかにその場が和やかになったりする時がありますよね。
ネオスは育児休暇を取る方が多くいますが、その辺りはいかがですか?
Y.N私の部署は歴史の長いサービスもあるので、何かあった時、過去の経緯や当時のことを知っている人が重宝される傾向にあります。サービス一つひとつが検証と改善を繰り返しながら運用されているので、一時的に休んでいた方に対しては、戻ってきてくれてありがとうという暖かい雰囲気を感じますね。
「新しい」の尺度。
最後に、皆さんにとって“新しい”とはどんなことを指すか教えてください。
Y.N競合がいないところを狙うのと、未来を見定めるという意味での新しさは大事だなと感じています。すでにローンチされているスマホアプリ『クレヨンしんちゃん お手伝い大作戦』が沢山の方にインストールしていただけたのは、コンテンツの質が良いことの他に、クレヨンしんちゃんと知育の掛け合わせが新しかったという部分もあると思います。
K.M私はこの前最新のiPhoneに変えましたよ。携帯を買い換えるのは久々だったのですが、新しいものの魅力はその新しさに慣れるまでにあるなと思いました。慣れてしまえばまた別の新しいを探すことになるので、「新しい」の寿命は短いかもしれません。Webサイトを作るときも、新しい機能や技術を取り入れることが必要になるので、日々更新されていく新しいことに対してアンテナを張ることは重要だと思います。
C.K営業だと、「これが最先端で、流行り始めていて、面白いサービスなんです。」と言えるものがあるととても嬉しいです。新しい、面白い施策を理由にして、一度会ったお客様のところへ営業することもあります。ただ、どんなに新しいサービスも、うちには合わないと思われてしまうと意味がないので、すぐに利用できる気軽さや手軽さも大事だと思います。新しい上にやってみようと思える何かがあると人は動くけれど、そういうものが沢山あったらそれはもう新しくないし、新しいって結構難しいですよね。