育休について考える。
環境について、技術について、国同士について…なぜ私たちが不安になったり一生懸命考えたりするのか、それは自分自身が生きている間に安心して過ごしたいという思いと、未来を生きる子どもたちのためと言えるのではないでしょうか。
近年、子育て家庭を取り巻く社会状況は大きく変化しており、行政による支援制度の整備が進められている一方で、保育園の不足など未だ改善が必要な課題は残されている状況と言えます。
対して、企業側が子育て家庭を支援できる方法の一つが「育休」です。
時間や都合を問わず、まず子どもが第一優先となる子育てには大変さがつきものです。そして育休はその”大変な子育てをやる期間”と捉えられがちですが、育休期間が終わったら子育てが楽になるわけではありません。職場に復帰した後も、朝早く起きて登園の支度をし、日中の限られた時間内で業務をこなし、お迎えから帰宅後に家事を済ませた頃にはあっという間に一日が経ってしまう…だからこそ、仕事と子育てを両立するためには、家庭内での支え合いはもちろん、周囲の理解やサポートも重要です。
育休期間の本質は、子どものことや今後の生活について家族で今一度向き合い、備えるための時間でもあります。「子どもを育むことの意味を考え、未来に対しての準備を万端に整えるためには時間が必要、だから休んでね」、育休にはそんな意味合いもあるのではないでしょうか。そして企業側に求められるのは、その時間をしっかりと作れるように、そして準備が整ったらまた安心して戻ってこられるように、環境や制度を整えていくことです。
育休をとった方の声。
当社グループにももちろん育休制度があり、社会の未来である子ども達が健やかに育っていけるよう、安心して子育てに取り組める環境づくりを目指しています。今回はネオスで実際に育休を取った方2名に、その経緯と感想についてお聞きしてみました。
Aさん |
職種:システムエンジニア |
入社年:2011年 |
産前産後育児休:1人目1年3ヶ月、2人目 1年1ヶ月、2018年より職場復帰。 |
産前産後休業、育児休業はどのような流れで取りましたか?
1人目の時はつわりが重かったので、総務の方に相談して少し早めに取らせてもらいました。1人目、2人目ともに、こちらから上司に妊娠の報告をした後、総務の方から1時間程度の時間を設けていただいて、今後のスケジュールやどんな手続きが必要かという話をしていただきました。
社内に情報交換ができる人はいましたか?
たまたま同じくらいの時期に妊娠していた人がいたので、その人から産休・育休の制度のことや総務に相談する流れを教えてもらいました。今も、同じ部署のマネージャー職の方が小学生にお子さんがいるママさんで「小学校にあがると昼間に呼び出されたりするから、臨機応変に対応できるようにしておいた方がいいよ」と教えていただいたり、私のちょっと先を経験している人がいて心強いです。
実際に取ってみて、どうでしたか?
私は、1人目が2月生まれだったのですが、当時の育児休暇の制度は1歳の誕生日まで取得可能で、延長する場合は保育園入園不可の証明が必要でした。保育園は1年の途中で入園するというのがかなり難しく、私の場合も同様で、2月に0歳児のクラスに空きがある保育園はなかったため、翌年の5月まで育児休暇の延長を申請しました。延長の手続きはとてもスムーズで、メールと電話のみのやり取りで済みましたし、部署の上長も戻る時期が2月ではなく、翌年の5月になる事について快く了承してくださいました。ネオスには、女性社員の方も多く在籍しているので、自分が妊娠して休むことで働きにくくなるという不安はなく、何かあった時は相談すれば何とかなると思える環境でした。
環境の変化はありましたか?
仕事の内容はずっと変わっていません。今も、復帰したタイミングで、ちょうど実装メンバーを増やそうとしているプロジェクトがあったので、そこにアサインしてもらいました。変化といえば、時短勤務によって会社にいる時間が6時間になったので、仕事の効率をより意識するようになりました。
旦那さんとはどのように分担をしていますか?
私の場合は、子どもが生まれた時に夫との間に子育てに対する意識の違いを少なからず感じていたので、1、2年かけて理解を深めていきました。幸い、夫の会社も育児で休むことに対して理解のある会社だったので、融通を利かせてもらって、2人で産んだ子どもであること、私も夫も同じように仕事をしているということ、どちらか一方に負担がかかりすぎないようにということを、子どもを育てていく過程でだんだんとわかってもらったという感じです。ただやっぱり、お腹にずっと子どもがいて出産を経験した私と、いきなりお父さんになった夫では準備期間が違うなと。一家の大黒柱なので、子どもが生まれたからといって仕事への姿勢を変える必要はないと思いますが、本当に困った時や私も息抜きしたい時があることをわかってもらえればいいと思っています。
職場の環境をどう思いますか?
女性社員も結構多いので、自分が妊娠出産することで、働きづらくなるような雰囲気はありません。全体的に、結婚している人もしていない人も、子どものいる人もいない人も、その人その人が出来る事にあわせて自由に働いているイメージがあります。去年は子どもがインフルエンザにかかって、結果的に10日くらい休むことがあった時も、上司から自分と子どもの体を優先して十分に休むように言っていただいたので、有難く甘えさせてもらいました。
最後に、子育てと仕事の両立について教えてください。
もともとキャリアのことは考えていませんでした。ぼんやりと子どもは育ててみたいと思っていて、もしそれによって会社の中で出来ることが限られても、子育てしながら出来る仕事をやろうと思っていました。子どもが出来てからはどうしても突発的に休むことがあるし、保育園のお迎えのため、退社時間は絶対に遅らせる事が出来ず、もう少し残業すれば終わらせることが出来る仕事も、途中で切り上げて帰らなければならないということにはジレンマを感じますが、その分、別のところで自分がやりたかったこと、子育てをやれていると思っています。
Nさん |
職種:プロジェクトマネージャー |
入社年:2014年 |
産前産後育児休:7ヶ月、2017年より職場復帰。 |
産前産後休業、育児休業はどのような流れで取りましたか?
妊娠が分かった時、このまま仕事を続けていたいと思っていたので、直属のプロジェクトマネージャーには安定期に入る前に相談しました。自分が妊娠するまで、産休・育休の制度があるということしか分かっていなかったので、手続きの仕方や内容はその時に初めて知りました。
社内に情報交換ができる人はいましたか?
私の部署には当時女性が2人しかいなかったので、同じフロアで産休を取った人がいることを知っている程度でした。でも、相談したマネージャーがお子さんのいるパパさんだったので、状況を私より理解していて、環境を整えていただけたことがとても有難かったです。
実際に取ってみて、どうでしたか?
子どもが10月に生まれて4月には保育園に預けたので、結果として出産してから半年で職場復帰することになりました。0歳で子どもを保育園に入れることが良いものなのか、とても悩んだのですが、保育園見学の際に「募集人数が多い0歳児で申し込んだ方がいい、1歳児になると0歳児クラスからの繰上りで募集人数も減ってしまうから」と言われ、悩んだのですが0歳児クラスで応募しました。結果、ありがたいことに通園できることになって、思った以上に早い仕事復帰になりました。
環境の変化はありましたか?
私の場合、休む前と後では仕事の内容ががらっと変わりました。休むまでは、打ち合わせも多く、残業もあって、どちらかというと表に出る仕事をしていたのですが、出産を機に裏方の仕事にしてもらったんです。私は、復帰後どうなるんだろうとただ呆然としていたのですが、休んでいる間に整えていただいて。仕事を変える寂しさは少しありましたが、多分、そのまま仕事の内容を変えていなかったら全然回っていなかったので、今となっては本当に良かったと思います。
仕事への考え方はどうですか?
あんまり立派なことが言えず申し訳ないのですが、全然変わらないです。もちろん、仕事の内容は変わりましたが、与えられた仕事をきちんとやっていくという意味では全く変わっていません。ただひとつ、周りが忙しくて残業している時に、私は時短で、先に帰らせてもらうので心苦しさはあります。忙しい状況の中でも時短で帰れるようにタスクを調整してもらっているので、仕方がないことかもしれないのですが、申し訳ないなと思います。
旦那さんとはどのように分担をしていますか?
2人で分担して、私がどうしても休めない時は夫に休んでもらったり、なんとかやりくりして、結構半々だと思います。私自身、もともと出産しても仕事は続けるつもりで、夫も続けてほしいと言ってくれていたので、すごく自然な流れで、お互いに仕事して育児もする流れになりました。
職場の環境をどう思いますか?
ネオスは産休制度が整っているし、私の場合は休みの取りやすいように仕事に内容も調整してもらいました。もちろんそれがあったから言えるのですが、最終的に育休をいつまで取るか、仕事に復帰できるかどうかは保育園ベースで決まってしまう部分が大きいと感じています。
最後に、子育てと仕事の両立について教えてください。
仕事も子育ても一生懸命やっているのですが、それでも中途半端、しかも結構へとへとで、子育てってこんなに大変なんだって、想像と全然違いました。たぶん、肉体的というより精神的に。子どもの年齢によっても大変さは変わってくるんですけど、子どもの気分にすごく左右されてしまって、自分の思い通りに全くならないのが大変ですね。その分、仕事は自分の意思で進められるので、切り替えが出来てありがたいです。息抜きとしてではなく、自分に出来る仕事があることは私にとってはすごく良かったと思います。