テクミラホールディングス株式会社 20TH ANNIVERSARY SITE

第0章 プライムワークス創業紀 池田の視点

SPEAKER

池田 昌史
テクミラホールディングス株式会社
代表取締役社長

Interview

2004年、現在のテクミラホールディングスの前身である「プライムワークス」を創業した当時は、少しの不安も感じていませんでした。インターネットとモバイル市場にターゲットを絞り、進むべき道は明確でしたし、なにより私たちには、デジタルマーケットにおける先駆的なノウハウがありました。

NECグループにいた私は、パソコン通信に始まったデジタル化の波やモバイルの魅力にどっぷりと浸かり、ネットワーク系のビジネスに力を注いでいました。狙いは各分野のコンテンツのデジタル化、およびマルチメディア展開です。たとえば、辞典や教育ソフトをCD-ROMで販売したり、当時は斬新だったコンビニでの流通展開を試みたりと、可能性があればどんな挑戦も惜しみませんでした。おかげで出版社、広告代理店、クリエイター等の各分野のキーパーソンと知り合うことができ、現在でも我々の大きな財産となっています。今思えばこれが私とコンテンツビジネスの出会いでした。

しかし当時はインターネットが本格普及する前夜で、デジタルコンテンツを閲覧するハードウェアの普及も不十分でした。結果的に、ハードウェア事業を主体としていたNECは、コンテンツビジネスに限界を感じ、一旦切り上げることを決定したのです。しかし私は違いました。時代はADSLという通信インフラが定着し、i-modeなどのモバイルとネットの融合サービスが誕生するなど、いよいよ携帯電話が新たなインターネット端末として成長していく可能性に満ちていました。そんな業界の変化を肌で感じながら、これからの時代の中心はコンテンツだと確信したのです。そこで私が独立して、ビジネスを引き継いでいこうと考えたことが創業のきっかけでした。市場全体はまだまだ黎明期といった具合ではありましたが、拡大の兆しがはっきりと見えていました。不安どころか、”さあ、やってやろう”という高揚感に満ち溢れていましたね。これが当社の20年の歴史を紡ぐ最初の「NODE」でした。

未知の可能性が広がるITの世界で「モノづくりがしたい」、というモチベーションで立ち上げたプライムワークスは、“最高の”という意味を持つ「Prime」と、“作品”を意味する「Works」から名付けました。自分たちが創り上げるモノは常に100点を目指したい、そんな想いが込められています。全ての制作工程に責任を持ち、上質なモノづくりを実現するため、プランナー、デザイナー、インフラやシステムエンジニアなど一通りの体制を整えていきました。品質や内製化へのこだわりは、今もテクミラグループにおけるDNAとして根付いています。

「プライムワークス」のロゴ。頭文字であるPとWを組み合わせたモチーフで「アナログとデジタル、ソフトとハードの融合」という事業ビジョンを表現した。