SPEAKER
- 柳瀬 大輔
- ネオス株式会社
クラウドデザイン部 マネージャー
Interview
私は「コミックDC」の立ち上げに伴い、サーバー管理担当としてプライムワークスにジョインしました。元々はBN社に勤めていましたが、今でも不思議なのは当時の会議室がプライムワークスの設立準備室として占領されていたことですね。社内でも謎の会社として噂になっていました。自分は特に興味もなく、また上が何かやってるな、くらいの印象で気にも留めていませんでした。それからしばらく経ったある日、上司から「プライムワークスでサーバー管理の手が足りないそうだ、行ってくれないか」と打診され、この謎の会社に出向することになったのです。
そこから数年は激動でした。自分はシステムエンジニアだったので、正直サーバー管理のことはよくわかっていなかったのです。その上、当時のサーバーはスペックも未熟でバンバン落ちるし、安定稼働が課題だった時代です。通信帯域が十分でなく、増え続けるユーザーのトラフィックに耐えられるような代物ではなかったので、毎日必死でした。
プライムワークスの大きな事業であった「カスタモ」と「コミックDC」は、どちらもサーバー的には「きつい」の一言。特に「コミックDC」は、当時の携帯電話における電子コミックサービスとしては一社独占のようなものでしたから、ユーザー数もどんどん伸びていく。我々が当時壊したサーバーは800台を超えていたかもしれません。現在ではAWSなどの素晴らしいクラウド環境が整っていますが、当時はすべて手探りでしたし、ことあるごとにトラブルが起こり真っ青になるということの繰り返しでした。今でも思い出すのは、とあるホテルで創業記念日のパーティをやった時のこと、サーバー管理部門のメンバー全員の携帯が一斉に鳴り響いたのです。見るとサーバー運営会社からの連絡で、「御社のサーバーがすべてダウンした」と。あわてて会社に飛んでいって、夜通し復元作業に取りかかり翌日には復帰させました。サービスが成長していくことは会社にとってはもちろん理想ですが、我々は日々凄まじい緊張感の中で仕事をするという。まさに戦場でしたね。